本文へスキップ

特定非営利活動法人(NPO法人)

代表者あいさつGreeting

脳血管・冠動脈などの血管の疾病は、悪性腫瘍に次いで日本人の死因の上位にランクされています(厚生労働省統計)。外傷、産科出血、悪性腫瘍に対する手 術でも、外科的手技だけでなく、凝固線溶系の管理 が出血を制するために重要です。即ち、凝固線溶系の調節は、さまざまな状況において、健康、あるいは生命予後を大きく左右します。
 このような考えから、岡本彰祐(故人:元神戸大学名誉教授)、岡本歌子(神戸学院大学名誉教授)とその共同研究者らは、50年余にわたり凝固線溶系の研究にとりくみ、抗プラスミン剤(イプシロンアミノカプロン酸トラネキサム酸)、抗トロンビン剤アルガトロバンを合成し、その臨床利用を普及させました。これらの研究は産学協同で進められ、1956年慶応義塾大学医学部を中心に組織された「抗プラスミン研究プロジェクト」、その後 神戸大学医学部第一生理学教室でのアルガトロバンの創薬、「血栓止血研究神戸プロジェクト委員会」へと継承されました。
 近年トラネキサム酸の臨床的価値を再認識させる研究が発表されました。Robertsらは、トラネキサム酸の 早期投与が出血を伴う外傷患者の死亡リスクを低下させることを示し(Lancet. 2010;376:23-32. Lancet 2011;377:1096-101.)、さらに、産後出血、消化管出血、外傷性頭蓋内出血・出血性脳卒中における効果を検討する臨床研究を進行させてい ます。
 一方、抗凝固薬であるはずのヘパリンの投与が逆に血栓傾向を生じさせるヘパリン起因性血小板減少症(HIT)が知られるようになり、アルガトロバンはHIT患者にきわめて有効な治療薬と考えられるようになりました。
 「血栓止血研究神戸プロジェクト委員会」は、HIT研究において日本のセンター的役割を果たすなど、凝固線溶系の研究に大きな役割を果たしてきました が、本年をもって閉会されることになりました。このような中で、その研究者たちが研究を存続発展させるため、NPO法人 血栓止血研究プロジェクト を発足させました。
 経済的基盤など不安要素をかかえての船出ですが、困難をのり越えようという闘志あふれる面々です。皆様の力強いお力添えをここにお願いする次第です。


                2014年8月 

                代表者(理事長:中村久美) 


血栓止血研究プロジェクト特定非営利活動法人

〒655-0033
神戸市垂水区旭が丘
3丁目15-18
TEL:078-706-5510
FAX:078-706-573
E-mail:
kekken@th-project.org